能力の差は2倍〜5倍、意識の差は100倍〜1000倍!

 なでしこジャパンの有り得ない奇跡のことを色々考えていたら・・・・。

 日本電産社長の永守重信氏の奇跡の起こし方と類似しているように思えてきました。

 永守重信氏の口癖は「人は、能力差はわずかだが、意識差は凄まじい」。と、精神面の強化・改革を何よりも重視しています。

 永守重信氏は、人は意識の改革をすることにより、能力の差をカバーできて、有り得ない奇跡が実現することを実践しているのです。

 永守氏は これまで 業績不振の27社のM&A(企業の合併・買収)を手がけてきて、社員のクビを一切切らずに全ての会社の再生を果たしています。

 日産のゴーン社長の西洋流の大量に社員のクビを切っての再建とは正反対の日本流のやり方なのです。

 社員のクビを切っていては、雇用の創出という企業の社会的責任は果たすことができません。

 西洋流の誰もができることをしても意味がないと、永守氏は思っているようです。


 「平成の再建王」の威名をとるほどの永守氏には業績不振の企業を再建するためのポイントがいくつかあります。

 その中でも最も重要視されているのが「6S・3Q」と呼ばれている心得です。

 この「6S」とは「整理」、「整頓」、「清潔」、「清掃」、「しつけ」、「作法」という、頭文字「S」で始まる6項目です。

 そして、これを実践すると「3Q」、つまり「良い社員(Qualityの高い社員)」、「良い会社(Qualityの高い会社)」、「良い製品(Qualityの高い製品)」につながる、という会社再建の心得なのです。

 業績が悪く赤字の会社は、社員の士気が落ち、職場が汚れてくるそうです。

 汚い水の中ではよい魚は育たないのと同様に、汚い工場からは決して品質のよい製品は生まれないそうです。同様に雑然としたオフィスでは、スピーディーかつ効率的な事務処理もできません。

 
 この様に会社の環境整備を徹底することから社員の意識改革をし(良い社員)、会社としての質を高め(良い会社)、良質の製品を生産する(良い製品)となるのです。

 そして、その良い製品をお客様へ提供することにより、会社の業績が回復してゆくのです。


 なでしこジャパンは、アメリカとの対戦成績は、25戦して、今回やっと1勝をあげました。

 永守重信氏の赤字企業の再生率は、27戦で27勝と、100%の成功率ですから、とんでもない奇跡を起こしているのです。

 なでしこジャパンも、今は、永守重信氏のマインドに似ていますから、これからも奇跡が連続すると思います。

 なでしこジャパンの今回の金メダルの奇跡は、意識の差が多大に影響し、非常に大きいと思います。

 「6S」に、深い謝罪と深い感謝と深い愛の「深謝」を加えたらもっとパワーアップするように思います。


「平成の再建王」の威名をとる永守氏が書いている文章です。
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人の総合的な能力は、天才は別として、秀才まで入れてもただか5倍、普通は2倍しか違わない。

ところが、やる気、士気、意識は100倍〜1000倍の差がある。だから、少々能力がなくても、意識の高い人間を採ったほうがいいと思っている。

世の中には、成績のいい人を採れば、さぞや立派な製品やいい客を開発するだろうと考える。もしそうなら、日本電産などとっくに大企業につぶされているはずだ。

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 日本企業の再生に必要なのは社員の心の再生。社員の能力差はせいぜい2、3倍。しかし、絶対に売ってみせるという意識の差は100倍から1000倍の差があります。

 社員の心をつかんで変えるのがトップの役割といえます。

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 永守氏は、今年で67歳ですが、二人の息子に後を継がせるつもりは毛頭ないそうで「あと20年は経営トップを続けるそうです。

 67歳からあと20年も第一線の経営トップで活躍する!というのですから、これに関しても彼の意識は一般の人とは大きな差があります。


 日本電産 永守重信社長のエピソードです。
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 母には、頭が上がらなかった。世界で唯一人、怖かった。母は毎月、弘法大師の命日である21日に、京都の東寺で大師の教えを学んでいた。

 よく連れていかれた。兄と姉が5人いたが、自分が一番信心深い、と思う。

 創業期から、京都・八瀬にある九頭竜弁財天へ参拝している。

 無論、神仏は何かをおねだりする相手ではない。社員に強要もできない。実業とは世界が別だ。ただ、どこかに共通するものがある気がする。


 やはり創業期に、大口客に「モーターの厚みが半分で、同じ力を出すなら、全量注文する」と言われ、技術者を集めたが、みんな首を振った。

 創業期は、どこへ行っても仕事がもらえず、やっと受注できたのは、よそが断った仕事ばかり。

 技術者に聞くと、はじめからできないものは、どんなことをしても絶対に出来ないという。

 そこで「いまから『できる、できる』と100回言うから、お前らも一緒に言え」と永守氏が指示するのです。

 100回言っても、技術者は「絶対にできません」という。

 そしたら、今度は、1000回『できる、できる』と、一緒に言いましょう。と、1000回言ってもらう。

 1000回ほどまで唱えたら、「あっ、社長、何かできる気分になってきました」との声が出た。

 そういうできる気分になった時に、一気に取り組み始める。

 これが、永守社長が弘法大師から学んだことを社員に実践させ、社員の力を引き出したのです。

 こうやって日本電産は技術を蓄積していったのです。この時「とてもむりだ」「出来ない」と諦めていたら、とっくに倒産していたでしょう。

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 1000回も繰り返して言うのは、空海の虚空蔵の真言の実践からきているように思われます。

 そして、最後まで、決してあきらめないことも、なでしこジャパンに似ています。

 一般の人の能力の差は2倍しかありませんが、意識の差は100倍〜1000倍にもなるのですから、このことが本当に理解できて実践できれば、有り得ない奇跡を頻繁に起こすことができるのです。


 ありがとうございました。